必要なのはできる事をするという真摯さ

kondo_01

株式会社カジ・コーポレーション

発達 近藤さん 【発達障害・うつ】

活用した支援制度・機関

ハローワーク 職場実習制度 就労移行支援事業所

将来を開く、細やかでハイレベルな配慮

発達障がいとうつ病を持つ近藤さんの仕事は、DVDレンタルショップの清掃です。商品棚から駐車場まで、お客様の快適を心がけて掃除をしています。発達障がいからの二次障がいで、10代でうつ病を発症。発達障がいにより言葉がすぐに出ず会話は苦手、以前はうつ病による自己否定感も強くありました。しかし現在は、本人が「非常に温かく向き合ってくれる」と言うほど配慮ある職場で一つひとつ仕事を覚えています。

様々なサポートの中でも目を引くのが、素晴らしい作業マニュアルやスケジュール表です。発達障がい者の特性である「聴覚情報の受け取りが苦手」「見通しの立てにくさ」「急な予定変更が苦手」な面がきめ細かく配慮され、障がい者支援の専門家が用意するものに近いレベルになっています。このような支援を受けて、近藤さんも「一人でも責任を持って掃除を行えるようになりたい」と目標を持って業務に取り組んでいます。


見る目を一変させた言葉

愛知県の就労支援セミナーに参加した近藤さんですが、初めは自分の意見や気持ちを表現することに時間がかかりました。スタッフも「積極的に参加してくれないだろうな」という第一印象でしたが、あるグループワーク終了後に「あの時自分から発言すれば良かった。申し訳なかったと思っています」と心の内を明かしてくれました。この一言で外見で判断していたことをスタッフは反省し、近藤さんの見方を変えました。潜在的には積極性を持ちながら、すぐに言葉が出ないだけで、それを発揮する機会を失っており、本当は出来る方で就職にも近いのではないか。という認識に変わりました。近藤さん自身も、否定的にばかり捉えていた自分を「そこまで悲観的になることはない」と捉え直すことができました。

kondo_02

多くの障がい者が見失っている就職するための気づき

株式会社カジ・コーポレーション 総務部 佐藤さん

佐藤さんは、近藤さんについて「初日にお会いした時から大丈夫だと思ってました」と話します。「仕事に対する気持ちがブレない」「身なりがしっかりしてる」点を評価しました。就職後も、仕事を選り好みしないことや、お客様への気づかい・出来なくても挑戦する姿勢などを高く評価しています。それらをまとめて「近藤さんは気づくことが出来た」と褒める一方、就職を目指す多くの障がい者に次のようにアドバイスを送ります。

「皆さんの希望と現実は違う」仕事内容や給与の希望が高すぎるために、社会に出る機会を失っているのではないかと考えています。まずは出来る範囲のことをやり、3ヶ月でも半年でも続けられた自信を付けることが大切で、最初の段階で希望を高く設定すると、なかなか就職に至りません。どんな仕事も、お客様へのサービスに繋がることを理解し「出来る事をちゃんとやる」という近藤さんの真摯な態度、佐藤さんが「それで仕事は必要十分」と言うように、求職者に求められるのは、今できる事に着実に取り組むことかもしれません。

kondo_03

企業と障がい者双方に求められる歩み寄り

企業と求職者それぞれが求める「希望」と「現実」のギャップが大きいことは、企業の不利益にもつながります。条件がかみ合わず応募者が少なくなれば、採用は難しくなる一方、ギャップを埋めるための努力は企業側にも必要とされています。支援機関の力を借りながら、両者の歩み寄りが求められています。

企業側からの歩み寄りの一例が、前出のマニュアルやスケジュールと言えます。このように障がい者の声をくみ取り、働きやすい職場を作る工夫が必要ですが、必ずしも多くの企業で取組めているとは言えません。企業の努力と、求職者の仕事に対する謙虚な姿勢。双方が今後の障がい者雇用の鍵になるでしょう。


株式会社カジ・コーポレーション

所在地 愛知県一宮市三ツ井二丁目28番23号
従業員数 1,347人   うち障害者 3人
事業内容 カラオケ機器賃貸・販売・卸業務
複合カフェ・カラオケBOX・ダーツショップ
DVD・CD・コミックレンタルの運営
中古リサイクルショップの運営